2024/01/10:更新
なぜ馬刺しと言えば熊本県産が有名なのかをご存じですか?
その理由を歴史とともにひも解いてみましょう。
馬と人の歴史は、熊本県の馬刺しにおいて特に深く結びついています。約5,000年以上前、馬は初めて食料として利用され、その後は労働力としても重宝されました。馬の耕作や運搬の能力は、農業や交通手段の進化に大きく寄与しました。 古代ギリシャやローマ時代には、馬は軍事利用され、戦争や帝国の拡大において不可欠な存在となりました。中世ヨーロッパでは、騎士や騎馬軍団が興り、騎馬の戦術が重要視されました。
馬は交通手段としても欠かせず、馬車や馬による郵便制度が整備されました。19世紀には蒸気機関車の登場により鉄道が発展し、馬の役割は一部で縮小しましたが、馬は農業や娯楽、スポーツ(馬術や競馬など)などで重要な存在として残りました。 馬肉の食文化についても、日本の歴史に深く根ざしています。675年に天武天皇が発令した肉食禁止令には、「牛馬犬猿鶏の肉を食うことなかれ」とあり、この時代には既に馬肉が食べられていたことがうかがえます。
熊本県で馬肉を食べる文化が根付いたのは、約400年前の文禄・慶長の役の頃にさかのぼります。当時、豊臣秀吉との朝鮮出兵で大陸に渡った日本軍が食糧不足に陥り、軍馬を食べざるを得なくなりました。この出来事が、馬肉を食べる習慣が熊本で生まれ、地域の特産品として発展する礎となりました。 熊本藩主の加藤清正公が帰国後も馬刺しを好んで食べ、領地である熊本で馬刺しの文化を広めたことも大きな要因です。馬は熊本で古くから農耕や輸送に使われ、余剰の馬も食材として活用されました。こうした歴史的背景が、地元の特産品としての馬刺しを育み、熊本県を馬肉の名所として有名にしました。
馬菜の馬刺しは、その本場ならではの高品質を誇り、熊本県の馬肉を使用しています。馬刺しを味わう際には、馬と人の歴史が刻まれた風味と共に、熊本の文化を感じながら楽しむことができるでしょう。地元の歴史と風土を噛みしめながら、馬刺しを味わう贅沢なひとときを楽しんでみてください。
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