2022/08/04
栄養素が豊富で、最近は女性にも人気の馬肉・馬刺し。その馬肉のことは「桜肉」と呼ばれていますが、その理由には諸説あります。今回は、それらについて解説いたします。
江戸時代には、獣肉を食べることが禁忌とされていました。 しかし、上流階級の人はこの禁忌を守っていたが、一般的には獣肉が食べられていたという記録が残っている。 そのため、馬肉には「桜」という隠語を使っていたのではないかという説があります。 また、馬だけではなく、「猪」には「牡丹(ぼたん)」、「鹿」には「紅葉(もみじ)」という別名があり、信憑性が高く感じられます。
隠語とは?
隠語とは、一般的ではなく限られた集団や業界、仲間の間などの中でだけ通用する特殊な言葉、言い回しや専門用語のことです。
一般的に動物は、寒いと自分の身を守るために脂肪を蓄えます。 馬がエサをたくさん食べて冬を越し、桜が咲く季節の馬は、たくさん脂がのっているため、馬肉が美味しくなるという説です。
馬肉が桜肉と呼ばれている理由?「馬肉の色が桜色説」 生の馬肉は、赤に近い色をしていますが、煮込んだり茹でたりすると桜色になります。 そのことが元になり、桜肉と呼ばれるようになった説です。
馬肉には鉄分がとても豊富に含まれており牛肉の約1.5倍、豚肉の約3.5倍と圧倒的な栄養素の 含有量です。その成分のヘモグロビンが空気と反応することで、鮮やかな桜色になり、 その切り身を並べることで桜の花を連想させることも理由の一つとなっております。 それに加えて鍋で煮込んだ馬肉が桜色になるという理由からも桜肉と言われている説があります。
千葉県の佐倉(さくら)という地域は今も昔の城下町の面影を残している地域であります。 江戸時代には佐倉藩十一万石として栄えた歴史ある城下町であり、 2016年には日本遺産に指定されています。この佐倉の地はかつて幕府の牧場があったことから 「馬」といえば「佐倉」と言われるようになり、地名を引用した説もあります。 またこの地域は佐倉藩主の堀田正睦が蘭学を推奨したことからオランダとの関わりが深く、 蘭学の先進地として「西の長崎・東の佐倉」と並び称されたこともあり、 今はオランダとの結びつきもあり72万本のチューリップが咲き誇る チューリップフェスタが開催される地域でもあります。今はチューリップで有名な佐倉市ですが、 馬肉との関係も興味深いですね。
いかがでしたか? 馬肉が桜肉と呼ばれるようになった由来を3つご紹介させていただきました。 まだまだ諸説ありますが、どれが本当の由来なのかは定かではありません。 しかし、この諸説を見る限り、馬肉の食文化は、かなり昔から人々の間にあったものなのではないでしょうか。
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