馬刺しの中でも特に柔らかく、上品な味わいを持つのが「ヒレ刺し」です。
ヒレは馬の背中側、サーロインの内側に位置する希少部位で、運動量が少ないため筋肉の繊維が細かく、驚くほどの柔らかさが特徴です。牛肉でいう「ヒレ肉(フィレ)」にあたる部位で、脂肪が少なくヘルシーでありながら、しっとりとした食感と上品な旨みを楽しめます。
ヒレ刺しの美味しい食べ方
解凍のポイント
カット済みの馬刺しは、正しい方法で解凍するとより美味しく食べられます。
冷蔵庫で2~3時間ほどじっくり解凍すると、ドリップ(肉汁)が出にくく、しっとりとした食感を保てます。
急ぎの場合は、真空パックのまま氷水に30分ほど浸けて解凍するのがおすすめ。
電子レンジの解凍モードは肉の食感を損ねるため避けましょう。

おすすめの食べ方
ヒレ刺しはクセがなく上品な味わいなので、シンプルな薬味やタレがよく合います。シンプルに塩のみ-馬のヒレ刺しの旨みをダイレクトにお楽しみ頂けます。
熊本流(醤油+おろし生姜)
生姜の風味がヒレの甘みを引き立て、さっぱりと食べられます。
にんにく醤油
濃厚な味わいを楽しみたい場合におすすめ。馬肉の旨みが際立ちます。
わさび醤油
脂が少ないヒレ刺しには、ツーンとした辛さのわさびもよく合います。
ごま油+塩
肉の旨みをダイレクトに味わいたいなら、ごま油と塩の組み合わせが最高です。
柚子胡椒+ポン酢
さっぱりと食べたいときにおすすめ。柚子の香りがヒレの繊細な味わいを引き立てます。

食べ方のアレンジ
卵黄を絡める
ヒレ刺しを卵黄に絡めることで、より濃厚な味わいに。醤油と合わせて「ユッケ風」にすると、よりコクが増します。
大葉やミョウガ、玉ねぎスライスと一緒に
さっぱりとした風味をプラスし、後味が爽やかになります。
カルパッチョ風
オリーブオイルとレモンをかけ、ブラックペッパーをふると洋風の味わいに。ワインとの相性も抜群です。
ヒレ刺しに合うお酒
日本酒(淡麗辛口・純米酒)
ヒレ刺しの上品な旨みを引き立てるには、すっきりとした辛口の日本酒がおすすめです。熊本県の「香露(こうろ)」や「瑞鷹(ずいよう)」などの純米酒は、米の甘みとキレの良さがあり、ヒレ刺しとよく合います。冷酒や常温で楽しむのがベスト。
焼酎(米・麦)
馬刺し文化が根付く熊本では、馬刺しと焼酎の組み合わせが定番。
米焼酎(白岳しろ、球磨焼酎)
クセが少なく、ヒレ刺しの繊細な味わいを邪魔しない。ロックや水割りで飲むのがおすすめ。
麦焼酎(いいちこ、百年の孤独)
麦の香ばしさが肉の甘みを引き立て、ほんのりとした苦みが後味をスッキリさせます。
赤ワイン(ライト〜ミディアムボディ)
ヒレ刺しの赤身の旨みには、タンニン控えめの軽めの赤ワインがよく合います。
ピノ・ノワール
果実味があり、酸味がヒレの甘みとマッチ。
カベルネ・フラン
渋みが少なく、スパイシーな風味がヒレの味わいを引き立てる。
ガメイ(ボジョレー・ヌーヴォー)
フルーティーで飲みやすく、肉の旨みを邪魔しない。

シャンパン・スパークリングワイン
意外な組み合わせですが、ヒレ刺しの淡白な旨みにはシャンパンやスパークリングワインも相性抜群。泡の爽快感が口の中をリフレッシュし、馬肉の甘みを引き立てます。
特に、辛口のシャンパンやスパークリングワインを選ぶと、さっぱりとした後味を楽しめます。
まとめ
熊本県産のカット済みヒレ刺しは、柔らかく上品な味わいが魅力の希少部位。正しい解凍方法で食感を損なわず、お好みの薬味やタレで楽しむことで、より一層美味しく味わえます。さっぱりとしたお酒との相性が良く、日本酒や米焼酎、軽めの赤ワイン、さらにはシャンパンまで、さまざまな楽しみ方が可能です。
ぜひ、特別な日や贅沢な晩酌のお供に、熊本県産のヒレ刺しを堪能してみてください。