馬レバ刺しは安全に生食で食べられ、他のレバ刺しは生食で食べられない理由
レバ刺しが好きだったけど、最近は規制によって食べられなくなった。。。そういう風に思われている方も多いのではないでしょうか。 もう10年以上前になりますが、とある焼肉店で提供された牛肉のユッケを食べた人たちのなかで食中毒が発生し、なかでも腸管出血性大腸菌であるO111による食中毒の結果、亡くなる人が出ました。
それまでも同じ腸管出血性大腸菌であるO111・O157、そのほかの食中毒の原因菌による食中毒は発生しており牛肉の生肉やレバーが原因として挙げられていました。このような背景があり、2012年以降は牛レバー、2015年以降は豚肉の生食が禁止されてしまいました。 しかし馬のレバ刺しは禁止食品の対象とはなりませんでした。それは馬肉が食中毒のリスクが低く安全であると判断されたからです。 ではなぜ馬のレバ刺しは禁止対象外となったのでしょうか??その理由はいくつかありますが、まず馬の体温は37~38度と30度後半であり他の食肉用動物に比べて体温が高いため、食中毒の原因となる病原菌が生息できないことがあります。つまり病原菌を保菌していない特徴があるため、食中毒の原因となりにくいのです。
その上通常市販されたり店舗で提供されたりする馬刺しや馬レバ刺しは、食肉用の処理をする過程で生食用食肉の衛生ガイドラインをしっかりと守り衛生管理を徹底していることがあります。処理過程で処理をする人や調理器具から病原菌がうつることがないように、肉の管理方法や調理器具の消毒などが決められています。 この安全基準をクリアしたものしか提供されませんので、安全は確保されているといえます。
馬レバ刺しの特徴
馬肉のなかでも、レバーである肝臓はひとつしかない部位で、しかも一頭からほんの500~600g程度しか取れない大変貴重な部位です。レバーは動物の体内において栄養分の貯蔵庫であり動物が生きていくために必要とされる栄養素が詰まってます。それをできる限り生に近い状態で食べるレバ刺しは動物の旨味を十二分に堪能できる部位と言えるでしょう。
馬レバ刺しは、味はもちろんですが、食感もとても魅力的な部位です。濃厚でこってりとしていしますが、それでいてくさみや脂味が少なく、さっぱりとした味がします。このさっぱりした味わいは馬肉の脂が牛肉や豚肉の脂よりも、魚に似た種類の脂であることが影響しているそうです。また噛んだときはぷりっとした歯切れのいい食感がし、口のなかに入ると、まろやかにとけていくやわらかさも兼ね備えています。 この独特の味と食感のおかげで馬レバ刺しは一度食べたら忘れられない食材として、多くの馬刺しファンから愛されているのではないでしょうか。
当店で扱う馬肉はすべて熊本県産ですが、なぜ熊本が馬肉の一大産地かというと、そのはじまりは肥後熊本藩の初代藩主であった加藤清正公が戦で食糧不足になり傷つき倒れた馬の肉食したことが始まりとされています。ともに命をかけて戦った馬の命を最後まで大切にする思いの表れでもあるといえるでしょう。 このような馬への愛情が根底にあるので食用の馬はとても大切に育てられ、特産品で有名である熊本は海と山といった自然にも恵まれていることから、馬肉がおいしくなる理由であるといえます。
いかがでしたか? この機会に、一度馬レバ刺しを試してみてはいかがでしょうか?以前食べていた方も、初めて食べる方も、きっと満足いただけると思います。